肥満の少ない日本が、なぜ、糖尿病大国なの!?
日本人の5人に1人は糖尿病及び糖尿予備軍であると言われ、日本は世界でも稀に見る「糖尿病国家」と言うことができるでしょう。
そしてその原因は「太りすぎ」というのが一般的な考え方ですが、実はこれは大間違いです。
糖尿病を含めた高血圧や高脂血症などの3大生活習慣病もしかりで、必ずしも太っている人が生活習慣病にかかるというわけではありません。
痩せている人だってお酒を飲み過ぎる人は、糖尿病を患っている人がたくさんいます。
大酒飲みの同僚がこのごろおなかが出始めたあなたに「そろそろ糖尿病、気をつけた方がいいんじゃない」などと冷やかしで忠告するのは、まったくのお門違い。
忠告した人こそ、自分の酒量のことを心配した方がいいくらいです。
意外! と思われるかも知れませんが、そもそも日本人の糖尿病患者は太っている人は圧倒的な少数派なのです。
糖尿病になる原因は、確かに内臓に蓄積された脂肪にインスリンの働きが阻害されて引き起こされる場合もありますが、
ほとんどの場合は過度のストレスに伴う深酒や喫煙、さらには食の偏りが原因となります。
糖尿病はインスリンの不足によって、カラダの中でブドウ糖が活用できなくなり血糖値が著しく高くなってしまう病気です。
ただ糖尿病自体は自覚症状がなく、糖尿病はあくまで「病気の源」と考えていい でしょう。
中でも、視力の低下や失明に至る糖尿病性網膜症や糖尿病性腎不全、糖尿病性神経障害などはとても恐い病気で、
手足の切断や人工透析といった事態を引き起こしてしまう場合もあります。
ストレスと糖尿病の関係とは!?
そんな深刻な事態を引き起こす糖尿病とストレスの関係は何か……
これもやはり交感神経の働きと関係があります。
あなたに出来る範囲以上の仕事を押し付けられたり、理不尽なことを要求されたりすると、人間は脈拍が次第に速くなっていきます。
いわゆる、不安や緊張、怒りといった感情作用です。
こうした状態の人のカラダは、エネルギーとなる糖分が血中に急激に増えて、ストレス反応を引き起こすのです。
つまり、忙しすぎる仕事環境や、人間関係の不和など、あらゆる悪要素がストレスとなり、そのストレスを感じた脳が交感神経を強く刺激して血糖値を異常に上げるホルモンを分泌させることとなるわけです。
もちろん血糖値が高くなっても短期間であれば問題はありません。
しかし、ストレスと「切っても切れない縁」にあるのが現代人です。
こうした社会的な背景が、年々糖尿病患者が増えていく原因の一つとなっているのです。
こうした現実を知らずして「自分は痩せているから糖尿病にはならない」と、誤った認識で、ストレスをお酒で紛らわそうとしていると、知らぬ間にカラダが蝕まれているということにもなりかねません。
2015年12月から、50人以上の従業員がいる職場においてストレスチェックの実施が義務化されます。
参考サイト:
http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei12/kouhousanpo/
また、厚生労働省が実施しているセルフストレスチェッカーもあります。
http://kokoro.mhlw.go.jp/check/
ご自身のストレス状況を把握してみてはいかがですか?



今日の格言
生きるとはある活動であり、各人はそのもっとも好む事柄に対して、もっとも好む能力を働かせて活動する。これらの活動の愉しみが活動を完成させ、各人の追求する生を完成させるのである
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